神奈川県令和3年(午前)問36

 

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問36

 全身的に現れる医薬品の副作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  1. ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する遅延型のアレルギー反応の一種である。
  2. 皮膚粘膜眼症候群スティーブンス・ジョンソン症候群)を発症する可能性がある医薬品はかぎられており、発症を予測しやすい。
  3. 中毒性表皮壊死融解症(TEN)は、38℃以上の高熱を伴って、広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められる。
  4. 医薬品により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。

 

 

正解:××〇〇

 

  1. ×
    ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種である。
  2. ×
    発症を予測しやすかったら苦労しませんッ!!

  3. 両眼に現れる急性結膜炎(結膜が炎症を起こし、充血、目やに、流涙、痒み、腫れ等を生じる病態)は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日~1日程度先行して生じることが知られているので、そのような症状が現れたときは、皮膚粘膜眼症候群又は中毒性表皮壊死融解症の前兆である可能性を疑うことが重要である。

  4. 軽度の肝機能障害の場合、自覚症状がなく、健康診断等の血液検査(肝機能検査値の悪化)で初めて判明することが多い。

神奈川県令和3年(午前)問37

 

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問37

 精神神経系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  1. 医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。
  2. 眠気を催すことが知られている医薬品を使用した後は、乗物や危険な機械類の運転操作に従事しないよう十分注意することが必要である。
  3. 無菌性髄膜炎は、医薬品の副作用が原因の場合、早期に原因医薬品の使用を中止した場合でも、予後不良となることがほとんどである。
  4. 心臓や血管に作用する医薬品により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いたような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。

 

 

正解:〇〇×〇

 


  1. 精神神経系の症状が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診断を受けるなどの対応が必要である。



  2. ×
    早期に原因医薬品の使用を中止すれば、速やかに回復し、予後は比較的良好であることがほとんどであるが、重篤な中枢神経系の後遺症が残った例も報告されている。

  3. 医薬品の長期連用、過量服用するなどの不適正な使用によって、倦怠感や虚脱感等を生じることがある。医薬品の販売等に従事する専門家は、販売する医薬品の使用状況にも留意する必要がある。

神奈川県令和3年(午前)問35

 

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問35

 医薬品の剤形及び適切な使用方法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  1. カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤等を充填した剤形であるが、液剤を充填したものはない。
  2. 経口液剤は、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、服用後、比較的速やかに消化管から吸収されるという特徴がある。
  3. チュアブル錠は、口の中で舐めたり嚙み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。
  4. 錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提となるため、例外的な場合を除いて、口中で噛み砕いて服用してはならない。

 

 

正解:×〇〇〇

  1. ×
    カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した剤形であり、内服用の医薬品として広く用いられている。

  2. 経口液剤は、有効成分の血中濃度が上昇しやすいため、習慣性や依存性がある成分が配合されているものの場合、本来の目的と異なる不適正な使用がなされることがある。
    経口液剤では苦味やにおいが強く感じられることがあるので、小児に用いる医薬品の場合、白糖等の糖類を混ぜたシロップ剤とすることが多い。

  3. 乗物酔いのお薬に多い!

  4. 特に腸内での溶解を目的として錠剤表面をコーティングしているもの(腸溶錠)の場合等は、厳に慎まなければならない。

神奈川県令和3年(午前)問34

令和3年度登録販売者試験問題(午前)(PDF:684KB)

 

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問34

 医薬品の剤型及び適切な使用方法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  1. ゼラチンに対してアレルギーを持つ人がいるため、カプセル剤のカプセルの原材料としてゼラチンが使用されることはない。
  2. 軟膏剤とクリーム剤は、有効成分が適用部位を水から遮断したい場合にはクリーム剤を用い、患部を水で洗い流したい場合には軟膏剤を用いることが多い。
  3. 貼付剤は、皮膚に貼り付けて用いる剤形であり、薬効の持続が期待できる反面、適用部位にかぶれなどを起こす場合もある。
  4. 外用液剤は、軟膏剤やクリーム剤に比べて、患部が乾きやすいという特徴がある。

 

 

正解:××〇〇

 

  1. ×
    カプセルの原材料として広く用いられているゼラチンはブタなどのたんぱく質を主成分としているため、ゼラチンに対してアレルギーを持つ人は使用を避けるなどの注意が必要である。
    また、水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼りつくことがあるため、必ず適切な量の水(又はぬるま湯とともに服用する)
  2. ×
    一般的には、適用する部位の状態に応じて、軟膏剤は、油性の基剤で皮膚への刺激が弱く、適用部位を水から遮断したい場合等に用い、患部が乾燥していてもじゅくじゅくと湿潤していても使用できる。また、クリーム剤は、油性基材に水分を加えたもので、患部を水で洗い流したい場合等に用いられるが、皮膚への刺激が強いため傷等への使用は避ける必要がある。

  3. 貼付剤は皮膚に貼り付けて用いる剤形であり、テープ剤及びパップ剤がある。適用部位に有効成分が一定時間留まるため、薬効の持続が期待できる反面、適用部位にかぶれなどを起こす場合もある。

  4. 外用液剤とは、外用の液状製剤である。軟膏剤やクリーム剤に比べて、患部が乾きやすいという特徴がある。また、適用部位に直接的な刺激感等を与える場合がある。

神奈川県令和3年(午前)問33

令和3年度登録販売者試験問題(午前)(PDF:684KB)

 

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問33

 医薬品の体内での働きに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

  1. 医薬品を十分な間隔をあけずに追加摂取して血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなり、有害な作用(副作用や毒性)も現れにくくなる。
  2. 循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのたんぱく質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。
  3. 血中濃度はある程度の時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していくが、これは吸収・分布の速度が代謝・排泄の速度を上回るためである。
  4. 全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が治療域に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。

 

 

正解:×〇×〇

 

  1. ×
    一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上になると強い薬効は得られなくなり、薬効は頭打ちとなるが、一方、有害な作用(副作用や毒性)は現れやすくなる。

  2. そのため、医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液(細胞質という)中に、一定以上の濃度で分布する必要がある。これらの濃度に強く関連するのが血中濃度である。
  3. ×
    血中濃度はある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していくが、これは代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためである。やがて、血中濃度が最小有効濃度を下回ると、薬効は消失する。

  4. 全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、最小有効濃度と毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域ともいう)の間の範囲(有効域、治療域ともいう)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。

神奈川県 令和3年度(午前)問32

令和3年度登録販売者試験問題(午前)(PDF:684KB)

 

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問32

 医薬品の有効成分の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  1. 代謝とは、物質が体内で化学的に変化することであり、その結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりする。
  2. 血漿タンパク質と結合して複合体を形成している有効成分は、排泄の過程において腎臓で濾過されないため、長く循環血液中に留まることになる。
  3. 医薬品の有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、体外に排出されるが、肺から呼気中に排出されることはない。
  4. 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が速まるため、医薬品の効き目が十分に現れず、副作用も生じにくい。

 

 

正解:〇〇××

 


  1. 代謝とは、物質が体内で化学的に変化することであるが、有効成分も循環血液中へ移行して体内を循環するうちに徐々に代謝を受けて、分解されたり、体内の他の物質が結合するなどして構造が変化する。その結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりする。

  2. 排泄の過程においても血漿タンパク質との複合体形成は重要な意味を持つ。複合体は腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
  3. ×
    排泄とは代謝によって生じた物質(代謝物)が尿等で体外へ排出されることであり、有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ排出される
  4. ×
    循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。従って腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。そのため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

神奈川県 令和3年度(午前)問31

令和3年度登録販売者試験問題(午前)(PDF:684KB)

 

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問31

 医薬品の有効成分の吸収に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  1. 有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合は、浸透する量は皮膚の状態、傷の有無やその程度による影響を受けない。
  2. 眼の粘膜に適用する点眼薬の有効成分は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがあるため、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがある。
  3. 一般に、消化管からの吸収は、医薬品成分の濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象ではなく、消化管が積極的に医薬品成分を取り込む減少である。

 

 

正解:×〇×

 

  1. ×
    殺菌消毒薬等のように、有効成分が皮膚の表面で作用するものもあるが、有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合は、浸透する量は皮膚の状態、傷の有無やその程度などによって影響を受ける。

  2. 眼の粘膜に適用する点眼薬は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがある。従って、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがあるため、場合によっては点眼する際には目頭の鼻涙管の部分を押さえ、有効成分が鼻に流れるのを防ぐ必要がある。
  3. ×
    一般に、消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける。