神奈川県 令和3年度(午前)問32
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問32
医薬品の有効成分の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 代謝とは、物質が体内で化学的に変化することであり、その結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりする。
- 血漿タンパク質と結合して複合体を形成している有効成分は、排泄の過程において腎臓で濾過されないため、長く循環血液中に留まることになる。
- 医薬品の有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、体外に排出されるが、肺から呼気中に排出されることはない。
- 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が速まるため、医薬品の効き目が十分に現れず、副作用も生じにくい。
正解:〇〇××
- 〇
代謝とは、物質が体内で化学的に変化することであるが、有効成分も循環血液中へ移行して体内を循環するうちに徐々に代謝を受けて、分解されたり、体内の他の物質が結合するなどして構造が変化する。その結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい水溶性の物質に変化したりする。 - 〇
排泄の過程においても血漿タンパク質との複合体形成は重要な意味を持つ。複合体は腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。 - ×
排泄とは、代謝によって生じた物質(代謝物)が尿等で体外へ排出されることであり、有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ排出される。 - ×
循環血液中に存在する有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。従って腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。そのため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。